一個人や一企業によって言葉の持つ意味が変えられてゆくとき

楽天的なトランプ氏に友だち申請はしたくない

共有財産としての言葉の命脈が絶たれるとき

「友だち」という素敵な言葉が、今や「Facebookでリクエストが来たら断りにくいと感じる程度の知人」といった意味に格下げされてしまった。

言葉は共有財産だが、一個人や一企業によって特定の単語の命脈が絶たれてしまうことがある。

楽天的ですねと言われたらどう思う?

「楽天的」という言葉を辞書で引くと、

人生や物事を楽観しているさま。明るくのんきなさま。

と書いてある。(参照:スーパー大辞林)

しかし、今では「楽天的」と言えば、

赤いカラーを基調にした騒々しくて大げさな売り文句が並んだ1ページが異常に長いショッピングサイトのようなさま

の意味だろう。

あのサイトのデザイン、楽天的だよね。ちょっと下品だよね。

国民理性よりも国民感情が重視される危うい時代

さて、話は変わるが、「国民感情」が優先されて「国民理性」が軽視される国は、熱気はあるが極めて危うい。人気を得るためだけに国民の嫉妬心や敵愾心を煽る政治家やニュースキャスターがそれを加速させる。

どうも米国の新大統領トランプ氏は、就任後もアメリカファーストに基づく保護主義貿易を唱えては米国に製品を輸入する企業に国境税をかけるぞと恫喝したり、人間を人種や宗教あるいは性別で差別したりするような不寛容で強圧的なツイートを止めそうにない。

保護主義や排外主義を生む幼稚な愛国心

わが国でも、「日の丸プロダクト」とか「バイ・ジャパン」とか称して自国製品を使うことが愛国心の表れであると主張する人びとがいる。諸外国が同じようなことを主張し始めたら、輸出で生きている日本のような国は死んでしまうことを理解しているのだろうか。

幼稚な愛国心は国を滅ぼすとともに、世界を分断と対立に追い込む。

トランプという言葉の意味はどう変わってゆくのか

これからは、米国でも日本でも「トランプ」という言葉は、「カードゲーム」や「相手に勝る」といった意味ではなく、「保護主義や排外主義を唱えるナショナリスト」あるいは「偏狭で偏見的な価値観を持った差別主義者」といった意味を表す言葉として辞書に載るようになるのかもしれない。

用例としては、

あの極右政党ってトランプしかいないよな。

あの難民を蹴り飛ばしたジャーナリストってトランプ的な記事しか書かないね。

などなど。