ご卒業おめでとうございます

「Do for Others」を「Do for Us (Ourselves)」として理解する

今年度の森田ゼミ卒業生は10名です。一人ひとりの顔を思い浮かべながら、お祝いの言葉を以下に記します。


本日はご卒業おめでとうございます。ご家族も心からお喜びのことでしょう。

君は、明学で、そして森田ゼミで、何を得たのでしょうか。経営学やマーケティングの知識を学んだのでしょうか。あるいは生涯の友を得たのでしょうか。それとも生きてゆく上での羅針盤やコンパスを手に入れたのでしょうか。

明治学院大学の教育理念は「Do for Others」です。

しかし、私は「Others」という言葉があまり好きではありません。自分以外の人間を「他人」という一括りにして、自分とは全く別の存在のように扱っている感じがするからです。

私が一番大事なのは、自分自身です。何よりも「Do for Myself」です。君もきっとそうでしょう。

次に身近な家族。「Do for My Family」。

そして、親戚や友人知人。「Do for My Friends」。

自分自身を中心に置いた、いわゆる「関心の輪」というものがそこにはあります。

しかし、その同心円をどんどん広げていけば、グラデーションが薄くなっていくかもしれないけれど、いずれは人類みなを「われわれ=Us」とみなしていくことができるのではないでしょうか。

そうなれば、少なくともその輪の中にいる人びとに対して完全には無関心ではいられなくなるし、その人たちを自分たちの敵とみなすこともできなくなるのではないでしょうか。

Do for Others」を「Do for Us (Ourselves)」として理解することができるようになれば、利己心と利他心は自然と一つになってゆきます。

私には子どもがいません。愛する妻と可愛い愛犬はいますが。

私自身の「関心の輪」において、君は円の中心のすぐそばに位置しています。

君の痛みは私の痛みですし、君の喜びは私の喜びでもあります。ゆえに、私は君の幸せをつねに願っています。

一方で、君の心と体の内側に、幸せはつねに存在していると、私は思っています。幸せというものは探すものでも得るものでもなく、気づくものなのではないでしょうか。

これから関心の輪を少しずつ広げてゆきながら、家庭で職場で、そしてコミュニティの中で、君だけの特別な人生を送って行ってください。

君が中心にいる「幸せに満ちた輪」が、時とともに大きく広がってゆくことを心から願っています。

ご卒業おめでとうございます。


2017年3月16日
森田正隆