「昔は良かった」と無条件で語る人

「今を生きている」ことから目を逸らすことの不幸

上り坂では全て肯定したのに、下り坂では全て否定する

人生のピークを過ぎた人は「昔は良かった」と大声で言いつのり、これからの人は「昔には戻りたくない」と心の中でそっと思う。

ピークに達するまでの人生の上り坂で出会ったものはすべて肯定して懐かしみ、その後の下り坂で出会うものはことごとく否定し拒絶してゆく老人はさびしく虚しい。

「昔はよかった」と無条件で語る人との会話は時間の無駄遣いである。

人生には「今」があるだけ

そもそも人生には上り坂も下り坂も、そして当然の如くピークなどもない。つねに「今」があり、そこに「生」がある。そこから目を逸らして、すでに生を失った過去の記憶に浸っていることにこそ、不幸の原因があるのだ。

それを忘れぬようにしたい。自戒を込めて。