心優しき八方美人型リーダーが組織とメンバーに滅亡をもたらす

全員一致の合議型組織は優柔不断に陥りがち

確かに信号は青だった。

しかし、踏み出す足の順番や、縦列で進むかそれとも横列かといった議論をしているうちに、時は経ち人は増え、渡りだした時には信号が点滅し始め、そして一番遅い人にスピードを合わせているうちに、みんな轢かれてしまった。

組織内の総意を得てから意思決定をしようとすると、最も鈍感で保守的な人たちが危機を感じてからでなければ舵を切ることができなくなるので、環境変化の激しい時には往々にして手遅れとなり船自体が沈んでしまう。

心優しいリーダーの下で、一見きわめて民主的かつ平等に運営されているように思える「全員一致」を旨とする合議型組織では、内に対する腰砕け的な優しさが優柔不断という組織体質を育み、やがて外の厳しさに対する耐性を失ってゆく。

歴史に学ぶまでもなく、八方美人で優柔不断の指導者は、組織やメンバーの安全や幸福よりも己の心の一時的な安寧を優先するがゆえに、滅亡をたぐり寄せることになってしまう。