経営学は「幸せ学」

経営学を学ぶことの意味や意義

自分自身の「人生の経営者」としてマネジメントを学ぶ

あなたの人生にとって、経営学を学ぶことの意味あるいは意義とは何でしょうか?

結論からお話します。会社の経営者や管理者になるためだけに、経営学を勉強するわけではありません。

より良く、より楽しく、より幸福で、より価値のある自分の人生をマネジメントしてゆくためにも、経営を学ぶのです。すべての人が、自分自身の人生の経営者であるからです。

つまり、幸せになるために経営を学ぶのです。自分の人生を上手にマネジメントし、幸福に近づいてゆくためには、何が必要なのでしょうか。その答えを経営学が与えてくれます。

経営は希少資源の配分とマネジメント

経営とは、人間社会にとって「価値のある何か」を生み出すために、ヒト・モノ・カネ・情報・時間といった「希少な資源」を上手に配分し、それらを動かしてゆくマネジメントのことです。

経営者とは、それらの希少な資源を動かして、価値を生み出してゆくための指揮者・リーダーです。

ですから、上手に経営をおこなってゆくためには、経営者はヒト・モノ・カネ・情報・時間について深く知っておく必要があります。

ヒトについて知る

ヒトはどういう状況であればやる気を出し創造力を発揮するのか。

どのような組織であれば、人びとは生き生きと働き、価値あるモノやサービスを生み出すことができるのか。

その疑問を解くためには、心理学や社会学、あるいは文学や哲学の知見が必要になってくるでしょう。

モノやサービスについて知る

人びとが価値を感じるモノやサービスとはどのようなものか。

どうやって生み出すのか。どんな技術やテクノロジーが必要なのか。

どこでどうやって生産すると、安くて品質のよいものができるのか。

その謎に迫るには、工学や化学、あるいは美術や芸術の知識やスキルが必要かもしれません。

カネについて知る

経営に必要な資源を手に入れるためにはカネ(資金)がいる。

そのカネはどうやって調達すればいいのか。

組織を動かすためのカネはどうやって配分すればいいのか。

代金はどうやって回収するのか。

会社の業績や成績はどうやって測定していけばよいのか。

そのような課題を解決してゆくためには、会計学や金融学、あるいは経済学などの理論と応用を知っておくべきでしょう。

情報について知る

そして、上記の知識やスキルはすべて情報です。

人間のココロもまた情報です。

デザインもブランドも、設計図も特許も、音楽や本も、映画もテレビも、会話やネットもすべて情報です。

情報について学び、深く知るということは、世の中や社会について理解するために不可欠です。

時間について知る

また、人びとに共通しているのは、時間が有限だということです。

人生には限りがあるということです。

つまり、時間を浪費することは、人生をムダ遣いすることになります。

時間をマネジメントすることは、人生や経営にとって最も重要な課題です。

経営学は総合的・学際的な学問

つまり、ヒト・モノ・カネ・情報・時間について深く知るためには、哲学・文学・心理学・社会学・工学・化学・美術・芸術・金融学・経済学・情報学といったさまざまな学問分野が関わってくるということになります。

経営学とは、これらを総合した学際的な学問です。言い換えれば、人生・組織・社会をマネジメントしてゆくために必要であれば、どんな学問でも総動員するのが経営学です。

幸福のために、人生をマネジメントする

ひとりの人間として、家族として、親として、職業人として、住民として、市民として、コミュニティのメンバーとして、あらゆる立場において、ヒト・モノ・カネ・情報・時間といった「希少な資源」を上手に配分し、それらを動かしてゆくマネジメントの力があれば、より幸福に近づいてゆくことができるといえます。

就職も、仕事も、結婚も、子育ても、趣味も、余暇も、住宅購入も、老後も、人生設計も、あらゆるものがあなた自身の人生のマネジメントです。

経営学は「幸せ学」

大学で何を学んだらいいのかわからない人がいたら、経営学に目を向けてみませんか。

あらゆる学問を総動員し、自分自身の人生を豊かで幸せに導いてゆくための知識やスキルを与えてくれる経営学。

経営学は、「幸せ学」です。


2017年1月1日
森田正隆(明治学院大学経済学部経営学科教授)